mattintosh note

どこかのエンジニアモドキの備忘録

中華メカニカルキーボード『Anne Pro 2』を買ってみた

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先月注文した中華メカニカルキーボード『Anne Pro 2』が本日到着したので色々書いていきます。尚、到着までは約 14 日でした。

『Anne Pro 2』とは

海外のショッピングサイトで購入出来る中華製キーボードです。キーボードのサイズの中では「60 % キーボード」と呼ばれる分類のものです。読み方は「アン プロ 2」でしょうか。似たものとして若干お高めの Ducky One 2 Mini があります。Amazon では RK61 というちょっとお安めの製品もありますね(品質の程は知りませんが)。お値段は日本円で約 9,000 円で国内で販売されている同等サイズの Majestouch MINILA や ProgresTouch Tiny よりも若干お安めです。

本体の色は白か黒の二種類、軸は Cherry、Gateron、Kailh の 3 社から赤軸、茶軸、青軸、銀軸、白軸などが選択出来ます。ストアによっては軸の選択肢が少ないこともあります。

茶軸のキーボードは既に持っていて、青軸は使い所がないため今回は Gateron Red(赤軸)をチョイスしました。

到着時に箱は若干凹んでいるところがありましたが中身の商品には問題なし(中国から送られてくるのでだいたい多少凹んでいるのはご愛嬌ですね)。キーボード本体に英語マニュアル、交換用キーキャップ、USB-C ケーブル、キーキャッププラーが入っています。USB-C ケーブルは恐らく本体カラーの白と黒の間を取って赤にしたのだろうと思いますが若干浮いてしまうので別のケーブルを Amazon で注文しました。

Anne Pro 2 は LED バックライトが付いていて標準のキーキャップもそれに合わせたものになっています。オプションのキーキャップを取り付けてしまうと LED が透過しなくなってしまうのですが、折角なので Esc キーだけ交換することにしました。アクセントになって良いですね。

重さは 648 g で標準的(?)でしょうか。バッテリーを搭載していますが多分それほど大きいものではないのではないかと思います。Majestouch Convertible 2 Tenkeyless の 1 kg 超えに比べたら全然軽い方ですね。

幅は当然 87 キーよりも小さいのでリストレストが余ります。後日ぴったりサイズのものを購入してこようと思います。

Anne Pro 2 には可動スタンドが付いていないので角度調整は出来ませんが、一般的なキーボードに配置されている F1F12 などが無いので大丈夫だと思います。(個人差があるかもですが)

ではキーボードを触っていきます。

Gateron Red と PBT キーキャップのやわらかいタッチと押し心地

ここ数週間は ABS のキーキャップを装着した Cherry の黒軸を使っていたのですが、とにかく赤軸がめちゃくちゃ軽い!また、ABS のキーキャップは硬い印象で音も軽めなんですが Anne Pro 2 の PBT キーキャップ(100 % ではない)はやわらかい印象です。押した感じの音はカツカツと言うよりはコツコツですね。静音軸ではないのでそれなりに音は出ますが、筐体の関係か Majestouch よりも音が響かずとても気持ち良い音が出ます。

Cherry の赤軸は持っていないので Gateron 赤軸との違いはよくわからない。

スタビライザー付きのキーの音が良い

Majestouch シリーズで使われているスタビライザーとは構造が違い、Anne Pro 2 のスタビライザーを使用しているキーの音はとても静かです。Space だけは若干うるさいですが、静かに叩けばとても静かになりますし、Majestouch と比較してもだいぶ静かな方だとは思います。

タイピング音

前回はローマ字タイピングだけだったんですが、今回は英語タイピングもしてみました。

Anne Pro 2 はスペースキーの音が結構大きいです。

Majestouch の黒軸と茶軸はこんな感じ。上が黒軸(ABS キーキャップ)で下が茶軸です。こういうとき Bluetooth モデルはケーブル要らずでいいですよね。

今度はローマ字入力。Majestouch より Anne Pro 2 の方がガチャガチャしておらず静かだと思います。

www.youtube.com

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スペースキーの音だけ大きい

Enter キーなどは「静音軸かな?」と思うくらい静かなのですが、Space キーだけは結構音が大きいです。最近私は Space や左の Alt などを逆さまにするのですが、Anne Pro 2 でもやってみると Space キーの音が少し落ち着きました(タイピングの角度的なものなのかもしれない)。Space を逆さまに付けることに抵抗が無い方は一度試してみると良いかも?

尊師スタイルは出来ますか?

はい、出来ると思います。将来こんな感じで使おうかと思っているのですが、ゴム足の位置が悪いのでプレートを用意する必要がありそうです。近所のレーザーカッターが使える工房がコロナでしばらくお休みなのでもう少し先になりそうですが…。

デフォルトのカーソルキーの操作がちょっと難しい

見ての通り Anne Pro 2 には独立したカーソルキーがありません。これは他の 60 % キーボードと呼ばれるものも同じです。ではどのようにして上下左右を入力するのかと言うと、Anne Pro 2 の場合は二種類(三種類?)あります。

一つ目は Fn キーをホールド(Hold)しながら WSAD を押す方法です。普段右手で操作するカーソルキーを左手で操作するのに違和感を感じます。

二つ目は右下の 4 つのキーをタップ(Tap)する方法です。一般的なキーボードと同じように右手で操作することが出来ますが、押しっぱなしは出来ません。また、Shift キーとの併用も出来ないので範囲選択には使えません。

あともう一つ CapsLock に割り当てられている Magic Function という機能でも上下左右の操作が出来るようなのですが macOS では動いてくれませんでした。(そもそも A の隣は Ctrl として使う人間なのでこの機能は最初から使えない) 取説では CapsLock が Magic Function というものになっているようですが、ObinsKit で確認してみるとデフォルトでは無効になっているようです。

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ObinsKit

ソフトウェアでキーリマップが出来るようなので自分のお好みに設定出来るようなのですが、自分はこのままデフォルトで使おうと思っています。 挫折したのでキーリマップしました。(ObinsKit の項参照)

ちなみに Ducky One 2 Mini は IJKL に割り当てられているようです。(Fn キーが Anne Pro 2 と比較してひとつ外側に付いているため指がつりそうな気がして今回買わなかった)

慣れれば多分使えるようになるとは思うのですが、単独キーで操作出来ないことに面倒臭さを感じる方やキーボード操作が苦手な方にはちょっと難しいかもしれません。

Mac では Anne Pro 2 でスリープから復帰出来ない?

環境によるものかもしれませんが、我が家の Mac mini Late 2012 では USB 接続していても Mac 本体が完全スリープしている場合は Anne Pro 2 から復帰出来ません(ディスプレイスリープの場合は問題ありません)。マウスからは復帰するので Anne Pro 2 を使っているときはマウスでスリープ解除しています。

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

左手親指で操作するキーはキーキャップを逆さまに配置。左 CtrlCapsLock に移しているため左 CtrlFn1 に割り当てています。

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

デフォルトの Fn1 は右手小指で操作しづらかったため右手親指で操作出来るよう Alt と入れて替えています。

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

手持ちの OEM プロファイルのキーキャップと同じ形状だったため、標準のキーキャップは OEM プロファイルと思われます。

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

ケース裏面のロゴは「ANNE PRO」。

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

キーキャップの表面はサラサラとして良い触り心地です。

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

LED は明るく、デスクスタンド下でも綺麗に光ります。

Obins - Anne Pro 2
Obins - Anne Pro 2

ObinsKit を使ってみる

製品に CD 等は含まれていないのでウェブからダウンロードしてきます。ちゃんと Linux 用も用意されているところに好感が持てます。

en.obins.net

今日は Mac で使っているので Mac での操作画面を紹介していきます。

アプリケーションを起動するとファームウェアの更新画面が出てきます。Current Version と比較するとかなりバージョンが違いますね。頻繁に改良しているのでしょうか。

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ObinsKit

せっかくなのでファームウェアを更新してみます。Upgrade ボタンを押すとファームウェアの開始されキーボードが一旦効かなくなります。更新には数分かかりました。

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ObinsKit

キーマップの変更

一日デフォルトの左カーソルキーでなんとか頑張っていたのですがやはり右 Fn1 または Fn2 を押しながら操作するのが難しかったため VIM ライクに変更することにしました。

Default レイヤーの CapsLock を左 Ctrl に変更し、左 CtrlFn1 を増設します。そして Fn1 レイヤーに HJKLVIM と同じように上下左右を割り当てていきます。

HHKB ライクに設定することも出来なくはないですが、周辺のキーにすでに PageUp などの刻印が入っているためそのままにしておきます。デフォルトの左カーソルキーも今回はそのままに。

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ObinsKit

macOS はもともと 文章入力中は Emacs ライクなキーバインドが使えるので Ctrl があればなんとかなるのですが、カーソルキーを使う場面はちょいちょい出てきます。文字入力中であったとしても範囲選択は Emacs キーバインドで出来ないのでやはりカーソルキーを使わざるを得ません。右手で Fn を押して左手で…となると一瞬固まってしまうのですが VIMキーバインドであれば左手の小指を追加で添えるだけで済みますのでだいぶ快適になりました。

他にもバックライトのカスタマイズやマクロ機能の設定なども出来るようですので結構いじり甲斐はあるかも?

設定可能なキーは画面右の一覧をスクロールするとすべて表示されます。

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人にオススメするかしないか

Anne Pro 2 は 60 % キーボードのことを調べていて YouTube で見かけたんですが、ゲーム目的のユーザでも LED が付いていたりコンパクトでメカニカルということで買う人が多いみたいですね(ゲームによってはファンクションキーやカーソルキーが単独で押せないのが難点で結局使うのを辞めたというのも見ましたが)。

本当に 60 % キーボードが欲しい人ってある程度キーボードに詳しい人だと思いますのでキーの少なさとかはあまり気にしていないのではないかと思います。

今回自分が購入したのは近々自作キーボードを作ろうと思っていて主流の 60 % にするか悩んだからです。せっかく数万円かけて作っても 60 % が使いこなせず「やっぱり 64 や 87 が良かった…」なんてことになると悲しいですからね(諦めて何が何でも 60 % を使うという考え方も無くはない)。

触ってまだ一日ですが、「60 % かつ US 配列」ということでコンパクトなメカニカルではあるけどキーボードのわかってること人以外にはあまりオススメはしないと思います。多分、普通のキーボードを使っている人やキーボードに対して特に興味が無い人は無難にロジクールとかの方がいいと思います。ただ、モノはめちゃくちゃ良いのでちょっと変わったキーボードを求めている人には是非オススメしたいです。机を広々と使いたい、という人にもオススメですね。

利便性を考えると 87 キーボードの方が圧倒的にいいんですが、やはりサイズが大きいことと自作キーボードの場合はケースが少ないという問題があります。87 キーの Tofu とかあってもクッソ重そうですし。

実は Majestouch Convertible 2 が終売に向かっているっぽいのでもう一台買っておこうと思ったんですが、Anne Pro 2 を触ってみて他の中華メーカーのものを買うことにしました。AKKO っていうところのなんですけど(もう決まってんのかよ)。Majestouch Convertible 2 Tenkeyless も悪くはないのですがやはり筐体の鳴りが気になります。店頭で触った MINILA はそれほどでもなかったと思うのですが Convertible 2 は黒軸でも煩いですね。US 配列の静音赤軸もといピンク軸出してくれていたら買ったのに…残念。

暫くは Anne Pro 2 を使ってみて自作キーボードへの足がかりにしようと思っています。

Majestouch Convertible 2 と比較してみて

Anne Pro 2 が届いてから Majestouch Convertible 2 を使う気がなくなってしまいました。Majestouch Convertible 2 も悪くはないのですが、やはりタイピング音の違いが気になります。Majestouch Convertible 2 はメカニカルっぽいと言えばメカニカルっぽいのかもしれませんが、プレートと筐体の鳴りが気になりますし、スタビライザー入りのキーの音も Anne Pro 2 に比べると雑に聞こえます。Anne Pro 2 もスペースキーは大きな音がする方ではありますが、耳障りではなくむしろ気持ちのいい音です。

Majestouch Convertible 2 Tenkeyless は 87(JP配列の場合は 91)キーで機能性のバランスが取れていると思いますが、独立したカーソルキーやファンクションキー、DeletePrint ScreenPageUp などが必要ないと言うのであれば Anne Pro 2 を推したいですね。あと、Majestouch Convertible 2 は 1 kg 超えてるので持ち運びが結構しんどいです。

Majestouch も国内の家電量販店で手に入る入門用メカニカルキーボードとしてはいい機種だとは思います。自分は Majestouch が初めてのメカニカルキーボードでしたが良い買い物をしたと思っています。

Anne Pro 2 はどこで買えますか?

Gearbest などで買えます。他の商品もそうですが、多分送料込みの値段になっていると思います。

なお、2020 年 4 月 4 日の時点はコロナウイルスの影響か、Gearbest では品切れ状態となっています。(検索しても出てきません)

www.gearbest.com

2020 年 4 月 7 日時点では Banggood が最も在庫豊富でした。Gateron、Kailh、Cherry でページが分かれています。

jp.banggood.com

セール中は更に 10 % オフで 7,000 円台で買えるようです。

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Banggood

AliExpress でも取り扱っているお店があります。

ja.aliexpress.com

Amazon ジャパンでもマーケットプレイスで購入出来るようですが値段が若干高くなっています。国内の怪しいマーケットプレイスから買うよりかは Gearbest とかで買ったほうが信頼性高そう…な気がします。(届くのちょっと時間かかるけど)

ちなみに Gearbest で買った今回の Anne Pro 2 は本体裏のロゴが「ANNE PRO」でした。YouTube で見ると「OBINS」のものもあるようです。(Anne Pro 2 ではなくて無印の Anne Pro なのかも)

結構モノが良かったので二刀流にしてセパレートキーボードにしたいなぁ…と思っていたりします、フフフ。

mattintosh.hatenablog.com


類似品で FEKER Machinist というキーボードも出ているようです。お値段も Anne Pro 2 よりも 2,000 円前後安くなっています。レビュー動画を見てみると外観はほとんど Anne Pro 2 と同じなようです。Anne Pro と異なりこちらは Outemu のキースイッチを採用したモデルを選択出来るようです。ただ、ソフトウェアが Google Drive 上にあり、Windows 用しか無さそうな点から Anne Pro 2 の方が安心かなと思います(もしかしたら Anne Pro 2 のソフトウェアがそのまま使えたりしないだろうか…)。紹介動画の自動字幕も読んでみましたがスタビライザーに若干違いがある?ようです。こちらは AliExpress または Banggood で取り扱っています。

www.youtube.com